岸岡智樹のラグビー教室

イベントレポート_遠藤正士2024

【スタッフ個人レポート】
コーチインターン 遠藤正士

『挑戦成長の一年 〜岸岡智樹のラグビー教室インターンで学んだコーチングの真髄〜』

2024年、「今年は沢山の事に挑戦する一年にしよう」と意気込んで始まりました。
そんな1年の始まりに卒業研究の論文作成に追われ、少し嫌気がさし休憩がてらにSNSを見ていたところ「2024年度岸岡智樹のラグビー教室インターンシップ募集のお知らせ」というXの投稿が目に入りました。2023年は私が所属している社会人チームのキャプテンを任されると同時にチームが運営しているJrチームに初めて携わった年でした。社会人の練習とJrの練習との違いで、練習メニューの作成やコーチングの指導など上手くいかないことが多く悩んだ年でもありました。その悩みと2024年への意気込みが僕の身体を動かし、休憩時間の間に応募していました。

インターンシップ面接の日は春休みを使ってアメリカ留学に行く前日で、バタバタしてしまったこともあり少し緊張しましたが、自分のアピールできる点はしっかりと話すことが出来ました。コーチ枠としての受け入れが1枠しか無かったため、受かったらラッキーかなという気持ちでアメリカに向かい、現地の生活で合否の通知の事も忘れていた際に今年度インターン生コーチ枠として採用いただけるというメールが岸岡さんから届き、驚きとうれしさで少しだけ浮ついていたことを今でも覚えています。インターン生顔合わせの初めてのミーティングで、僕以外のインターン生が女性だけで少し不安でしたが岸岡さんのお気遣いや他のスタッフの方々に温かく受け入れていただいたこともあり、会話を重ねるごとに溶け込むことが出来ました。

今年度私は、宮崎・鹿児島・京都・熊本・佐賀・山口・島根の各会場にコーチとして参加させていただきました。どの会場においても小学生、中学生の参加者の皆さんの笑顔で楽しくパスをしている姿が一番印象的で、純粋に心からラグビーを楽しむことの大切さを皆さんに改めて教えていただきました。

そんな楽しい思い出もありますが、この一年で私を一番変えてくれたのは活動として主に関わらせていただいた「2024年度岸岡智樹のラグビー教室新規コーチプロジェクト」です。このプロジェクトは「コーチがいない大学ラグビー部に適切なコーチングが受けられる機会の提供」と「コーチング場所を求めるコーチに対するコーチング機会の創出と実践経験獲得」を目的とし、岸岡智樹のラグビー教室が大学ラグビー部とコーチを繋ぎ合わせ、多くの人に活動の場を与えられる架け橋となることを目指すといったものです。今年度は全国各地からご応募いただいた5名の方々に参加いただきました。また、大学ラグビー部としては京都会場では京都大学ラグビー部、福島会場では福島大学・福島県立医科大学・山形大学・日本大学工学部といった全5校のラグビー部に参加いただき、2会場で実施することが出来ました。特に私の中では京都大学でのコーチングが印象に残っています。私自身、参加者の方々と一緒にコーチングを行わせていただいた際に、自分が考えてきたメニューをとにかくこなそうと必死になってしました。コーチングではなくティーチングになってしまい、その場の雰囲気に臨機応変な対応をすることが出来ませんでした。よく教室の中で耳にしていた「コーチングは生もの」この言葉の意味がもの凄くわかった会場でした。ここでの失敗があったからこそ、その後のラグビー教室では生もののように、会場ごとに変化する雰囲気や人数・参加者の年齢層などその場を出来るだけ早く把握し、捌くのではなく導くといった難易度は高いですがこの教室でしか出来ない挑戦をし、失敗したことからまたさらに挑戦をすることでコーチング力を磨くことが出来ました。各会場で得ることが出来たこの貴重な経験を自分の中に持っておくのではなく、自分のチームに持ち帰り、Jrチームの小中学生へのコーチングで実践することで、インターン生として参加した意味があると思い、今は必死に週末をグラウンドで過ごしています。

今年度岸岡智樹のラグビー教室を通して、他のインターンでは絶対に学ぶことの出来なかった知識や得ることの出来なかった経験を沢山させていただきました。
この経験を元に小さな力ですが、ラグビー界に少しでも還元することがラグビー教室への恩返しだと思い、自分のできる限りプレーヤーとしてもコーチとしても、どんな形でもグランドに立ち続けようと思います。
約1年間沢山の経験・知識を与えていただいた岸岡智樹のラグビー教室と教室に参加してくださった皆様、各会場開催にご尽力いただいたすべての皆様に感謝申し上げます。

文:遠藤正士(コーチインターン